先日Noboru inc.の内藤昇さんにお越しいただきました。
今回は、内藤さんが編集されている美術同人誌「四月と十月 ~Vol.40~」に掲載された『大洋印刷訪問記』の一部をご紹介させていただきます。
内藤さん:一般的に印刷屋さんというのは、数をこなしてナンボ、機械は休ませるな、が基本。そんな中、大洋印刷はたいした稼ぎにならないけれど、文化的な価値があるものやデザイン的に新しいものを昔から請け負ってくれるのです。ヘンな印刷屋さんでしょ?
大洋印刷は、それまで三カ所に別れていた営業部門(浜松町)、製版部門(東陽町)、印刷部門(大井町)の三部門を一つにまとめ、大田区は昭和島に「t.Palette」というイカした名称の新社屋が2013年に完成。
三十年前、僕がデザイナーになったばかりの頃の印刷過程と一番変わったのが、この製版部門です。主に、写真(四月と十月の場合、各作家さんの作品になります)の調子を印刷に適した状態になるように調整します。難しい説明は省きますが、その昔は職人のおっちゃんが、細々あくせくイライラカリカリしながら動いていたものですが、今やパソコンの前でおしゃれなおニイちゃんやおネエちゃんたちが寡黙にマウスをカチカチしています。ちなみに今のこの部門の名称はプリプレス部と言うそうです。
印刷は、大量に刷る本番の前に色校正という、試し刷りみたいなものを何回か出します。主に写真(作品)の雰囲気が依頼主(作家さん)のイメージ通りに製版されているか確認するためです。その確認用のものは数枚しか必要ないので、印刷機とは別の機械で刷るのです。デジタル化が進んでも、ここで行われる作業は変わらないですね。
久しぶりに印刷機の近くに来ましたが、いいもんですね。インクと紙の匂い、シュコッ、ガシャガシャガシャガシャ時々ピーという音。あと、手を洗う専用の特殊な石鹸の匂い。この部門も変わりないですね。相変わらず、最終見本とにらめっこしてインクの盛りを調整する職人さんはかっこいいです。
大洋印刷の営業部には個人のデスクはありません。見積書などを作るときは、広いフロアのどこのデスクを使ってもいいのだそう。そうすることでいわゆるセクショナリズムを無くし、情報の共有化、交流を深めています。 また、箔押しなどの特殊印刷、型抜きのような特殊加工、製本などは関係会社にお願いしなければならないのですが、大洋印刷の営業の皆さんは、それらの会社との関係が濃密なので、かなりの無理難題に答えてくれます。僕も散々ふっかけて迷惑をお掛けしました。感謝。
と、内容はここまで。
内藤さんから大洋印刷への想いをたくさん語ってもらいました。
どうもありがとうございました。
またいつでも「ヘンな印刷屋さん」に遊びにいらしてください!
社員ともども心よりお待ちしております。
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